DOG STATION 第一章 構想編「まだ、駅は存在していない。」

存在していない。
まだ、駅は存在していない。
時刻表もないし、改札もないし、プラットフォームに立つ人もまだ誰もいません。あるのは、淡路島の片隅にずっと使われずに残っていた倉庫がひとつ。スケッチが一枚。それから「人と犬が、行き先も決めずに集まれる場所をつくりたいな」っていう思いつき。それだけです。
なぜ「駅」なのか。なぜ「犬」なのか。なぜ「淡路島」なのか。正直、自分たちでもまだ全部は答えきれていません。でも、答えが揃うのを待っていたら、たぶん一生始まらない。だから先に動くことにしました。
この第一章は、完成した施設を紹介するパンフレットではないし、順調に進んだ工事の自慢話でもありません。「まだ何者でもなかった時期」の記録です。迷いも、お金の計算も、温泉に浸かりながら決めたことも、犬の背中にカメラをくくりつけた話も、ぜんぶ含めた、構想の途中経過。
読むのに、だいたい8分くらい。途中の景色は、きれいに整えられたものばかりじゃありません。それでも、ひとつの場所が生まれていく音を、最後まで聞いていってもらえたら嬉しいです。では、いきます。
この記事の要点
「DOG STATION(ドッグステーション)」は、淡路島に2026年10月3日オープン予定の、犬と人のための複合施設です。室内ドッグランやカフェ、犬用グッズの体験・販売などを備え、淡路島で犬と泊まれる宿『淡路と犬』が手がけます。本記事は、その第一章=構想編(計画が始まった時期の記録)です。
- 施設名
- DOG STATION(ドッグステーション)
- 所在地
- 淡路島(兵庫県)
- オープン予定
- 2026年10月3日
- 主な内容
- 室内ドッグラン/カフェ/犬用グッズの体験・ショップ/駅フォトスポット/セルフウォッシュ ほか
- 運営
- 宿『淡路と犬』(上村允人)× My Bear Studio 平井
- この記事
- 第一章「構想編」/不定期連載・続きは第二章「起工(建築編)」へ
何もない倉庫
屋根と、コンクリの床と、差し込む光。それだけ。淡路島の住宅地の片隅に、長いこと使われていなかった倉庫がひとつあります。シャッターを開けると、ひんやりした空気と、緑色に塗られた床、中二階の鉄骨が目に入る。聞こえるのは外を走る車の音くらい。ここにはまだ、何もない。
「何もない」って、ふつう悪い意味で使う言葉ですが、この場所に立ったときの感覚は逆でした。柱の位置も、天井の高さも、窓から光が落ちる角度も、ぜんぶ「これから決められる」ということ。何もないからこそ、好きなように線が引ける。欠けているんじゃなくて、ただの余白だなと思いました。
ここが犬と人の駅になりますって言っても、たぶん誰も信じない。正直、自分自身も半信半疑でした。でも、最初の一歩って、だいたいこういう何でもない場所から始まる気がします。すべては、この空っぽの倉庫から。



一枚のスケッチ
理屈より先に、手が動いていました。2026年5月9日。方眼紙の上に、三角屋根の小さな建物。「Dog Station」の看板。木陰のテーブル。犬と並んで立つ人の影。隅には「Dog Station スタート」と、ぶっきらぼうに書き添えてある。立派な構想図でもないし、清書された企画書でもない。思いついたその場で、手が勝手に動いた一枚です。
後から見返してみると、この走り書きにすでに大事なことが全部入っていました。目的地じゃなくて「途中で佇める場所」であること。建物そのものより、その周りに生まれる人と犬の時間が主役であること。立派にしすぎないこと。言葉にするより先に、線のほうが答えを知っていたみたいです。この一枚が、すべての始発駅になりました。

人と犬が集まる場所をつくる。なぜ「駅」と呼ぶのか、まだ答えは出ていません。ただ、目的地じゃなくて、通り過ぎる途中で佇める場所であってほしい。淡路島。木陰のテーブル。犬と並んで立つ人の影。ここから始めます。
— Instagram @dogstation_awaji / Chapter 01ただ、構想そのものはこの一枚よりずっと前から温めていました。決定的な瞬間は、地元の温泉です。2025年5月19日、シーパの「ゆとりっく」に浸かりながら、頭の中でひとつのものがつながった。淡路島で犬と泊まれる宿『淡路と犬』を、ほぼひとりで営んできた数年間。クオリティを落とさずに、個人事業主の自分ひとりで続けることに、正直、限界を感じはじめていた頃でした。
同時に、宿で犬連れのお客さんを迎えるなかで、手応えもありました。淡路島には、犬のためにいいことをしている作り手や店が、点々と存在している。その人たちが力を合わせて一か所に集まれば、ばらばらの「点」が、ひとつの「目的地」になるんじゃないか。犬連れで淡路島を旅するとき、まっ先に思い浮かぶ場所。そういう「駅」を、ひとりじゃなくみんなでつくれないかな、と。
2024年11月に開いた宿を、納得がいくまで運営してきたぶん、踏み出すまでには時間がかかりました。背中を押してくれたのは、一本の会話です。日頃からお世話になっている作り手・平井さんと話すなかで、「一緒にやりましょう」と、ほとんど即決で決まった。物件は、すでに目星をつけてあった。あとは、線を引くだけでした。
想定し得る内容で作れば、想定されるものしかできない。想定外を受けて柔軟に対応し、想定以上のものを。だからこそ、フォロワーの皆さんの意見をたくさん聞きながら作りたい。
— Instagram @dogstation_awaji / Chapter 17「構想段階のまとめ」なぜ、駅なのか
犬と人のための場所に、なぜ「駅」という名前を選んだのか。響きがいいから、というだけではありません。理由のひとつは、この島がかつて「駅」を持っていた、という記憶にあります。
今の淡路島には、鉄道が一本も走っていません。島を移動する手段は、車かバスがメイン。多くの人は、この島に線路があったことすら知らないかもしれません。でも、そんなに遠くない昔、島の人たちは汽車に揺られて出かけ、駅で誰かを待ち、駅で誰かを見送っていました。
淡路島に、かつて走っていた線
一般に伝えられているところでは、淡路島には大正の頃に鉄道が敷かれ、島の南部を東西に結んでいたそうです。洲本のあたりから、人形浄瑠璃と渦潮で知られる福良のほうへ。海を渡れない、島の中だけを走る独立した小さな路線でした。汽車は、通学する学生を、市へ向かう買い物客を、農産物や郵便を、そして人々の用事や約束を乗せて、毎日同じ線路の上を往復していた。
でも、暮らしの足が車へと変わっていくなかで、その役目はだんだん小さくなっていきます。昭和の半ば、今から半世紀あまり前に、汽車は最後の運行を終えた、と伝えられている。いつ生まれ、いつ役目を終えたのか、正確な年代や経緯には諸説があって、この記事ではそこを厳密に検証することはしません。ここで確かめておきたいのは、年表より、ひとつの手触りのほうです。つまり、この島にもかつて「人が集まり、待ち、どこかへ向かう場所」=駅があった、ということ。
駅は、ただ列車に乗り降りするための場所じゃありませんでした。誰かの帰りを待つ人がいて、立ち話が生まれて、季節の挨拶が交わされる。出発と再会の両方が起こる場所。線路が剥がされて駅舎が取り壊されたあとも、「あそこに駅があった」っていう記憶だけは、土地と人の中に長く残った。
線路は、もうありません。汽車も、もう走らない。でも「人と犬が集まって、また出かけていく場所」なら、今の淡路島にもう一度つくれるはず。そう考えたとき、この場所を「駅」と呼ぶ以外に、ふさわしい言葉が見つかりませんでした。
私たちが「駅」という言葉に込めたのは、過ぎ去ったものへの郷愁じゃありません。かつてこの島にあった「人が行き交う結び目」を、犬と人のかたちで、現代にもう一度立ち上げること。失われた終着駅の、その先に。新しい停車駅をひとつ、増やすこと。それが、この場所を「DOG STATION」と名づけた理由です。
※本セクションの淡路島の鉄道に関する記述は、一般に公開されている郷土史・交通史の概説を参考にしたものであり、年代等の詳細には諸説があります。本記事は史実の厳密な検証を目的とするものではなく、特定の写真・図版の引用は行っていません(路線図は当施設が独自に制作したイメージ図です)。
※当施設「DOG STATION」は、淡路交通株式会社をはじめ過去・現在の鉄道/交通事業者とは一切関係がありません。同社の名称・ロゴ・商標および実在の路線名・駅名は使用しておらず、「駅」「鉄道」等は当施設のコンセプトを示す比喩として用いています。歴史的な写真等を掲載する場合は、すべて出典を明記した引用として扱います。
駅を描く
最初の走り書きが、少しずつ図面になっていきます。どこで人と犬が待ち合わせるのか。どこを走り、どこで水を飲み、どこで休むのか。動線という名前の「線路」を、何度も引いては消し、また引く。一本の線が決まるたびに、空白だった倉庫に少しずつ輪郭が生まれていく。
図面を引くときに、いちばん大事にしたのは「人にとっての正解」じゃなくて「犬にとっての正解」でした。人の目線で気持ちよく見える配置と、犬の目線で安心できる配置は、必ずしも一致しません。床の素材ひとつ、段差ひとつ、光の強さひとつで、犬の過ごし方は変わる。だから、設計の主導権はできるだけ犬のほうに渡しておきたかった。
とはいえ、これはあくまで机上の構想です。紙の上でどれだけ完璧に見えても、実際に建ててみれば、思い通りにいかないことのほうが多い。大事なのは、図面に縛られすぎないこと。決めるべきところは決めて、あとは現場とお客さんの声に委ねる。まだ存在しない駅が、紙の上で立ち上がっていく。でも、それはまだ下書きにすぎません。

駅に呼ぶもの
この駅に「停まるもの」を、ひとつずつ決めていきます。淡路島の旅は、天気に大きく左右される。あいにくの雨の日、夏の盛りの炎天下、冬の冷たい風。そんな日でも、犬とどこかへ行ける場所であること。それが、この駅にいちばん求めた役割でした。犬目線、わんこファーストで考えた“停車駅”のラインナップは、今のところこうなっています。
- 01室内ドッグラン(施設全体フリー)
- 02駅フォトスポット
- 03犬用グッズの体験施設
- 04カフェ
- 05犬用のショップ
- 06セルフウォッシュ
- 07ポップアップショップ
そもそもの出発点は、犬のためのオーダーメイドの工房でした。宿を営むなかで、その子の体格に合った高さの食器台があるだけで、食事の姿勢がこんなに変わるのか、と気づかされる場面が何度もあった。一頭ずつ違う体に、一台ずつ合わせてつくる。そんな「あつらえる場所」を持ちたい、という願いが、すべての停車駅の根っこにあります。
そして、この駅は誰のためのものか。観光で訪れる犬連れの人も、地元で暮らす犬好きの人も、淡路島で犬に関わる仕事をしている人も。小さい犬も、大きい犬も、怖がりな子も、シニアの子も。「完全に全員が使いやすく」とまでは言えないかもしれません。それでも、できるだけ多くの人と犬が、気がねなく立ち寄れること。人と人、犬と犬が、自然につながっていくこと。それが、停車駅を選ぶときの、いちばんの基準でした。
地元の犬連れの人も、観光の犬連れの人も、淡路島で犬関係の働く人も、みんなが使いやすく、つながる場所に。犬同士もつながる場所。そんな場所にできたら嬉しい。
— Instagram @dogstation_awaji / Chapter 03「つながる場所」


駅の顔
駅には、顔がいります。遠くから見ても「あの駅だ」とわかる目印を探しました。一目で犬のための場所だとわかること。そして、古い駅の佇まいがあること。
一目でわんちゃん用の施設なんだと分かるように、まずは犬は確定。あとは駅っぽくするのは何があるだろう? 駅員帽子! 古い駅にあるのは時刻表、時計(アナログ)かな? ということで【駅員の帽子を被った犬と、時計台】こんなロゴになりました。
— Instagram @dogstation_awaji / Chapter 02
顔が決まれば、次は肌の色です。色を選ぶときには、犬の見え方という、ふつうの店づくりにはない物差しを置きました。調べていくうちに、犬にとっては色そのものよりも「光」のほうが大切らしい、とわかってきた。眩しくなくて、物の輪郭がはっきり見える。そういう環境のほうが、犬は落ち着くらしい。だから、チカチカと刺激の強い配色は避けて、淡路島の光と、犬と歩く時間に似合う、穏やかなトーンを選ぶことにしました。床の素材から決めて、そこを起点に施設全体の色味をそろえていく。
ところが、ここで思わぬ足止めを食らいます。本来なら色の設計は後回しのはずだったのに、海外情勢の影響で「塗料そのものが手に入らない」という事態に。色を決めるより先に、まず塗料を確保しないといけない。塗料屋の友人に泣きついて、なんとか必要な分を押さえた。蛇口をひねれば水が出るように、欲しい色が当たり前に手に入る、と思い込んでいたことに、このとき初めて気づきました。塗料って、こんなに人類の積み重ねの上にあるんだなと、現場でしみじみ実感することに。
犬の見え方について調べて、どんな空間なら落ち着くかな? 色より、光が重要で。眩しくない、物が見えやすいと落ち着くと仮説を立てて、それでしたい。しかし海外情勢で塗料がない。塗料屋さんの友人に相談し、なんとか確保。塗料の発展は間違いなく、人類の文明の一つだな、と感じています。
— Instagram @dogstation_awaji / Chapter 18「塗料がない」乗務員を集める
どれだけ立派な駅舎を建てても、駅って、人がいて初めて動き出します。ひとりで抱え込まないと決めた、というのが、そもそもこの計画の出発点でした。だから、構想が形になりはじめるのと同時に、この駅に乗務してくれる仲間を探し始めました。犬と人をつなぐドッグトレーナー。ノーズワークの専門家。ものづくりの作り手。地元の犬好きたち。
専門家と話すたびに、自分ひとりの頭では絶対に出てこなかった視点が増えていく。犬の行動のこと、安全のこと、運営のこと。「いい施設をつくる」って、いい設備を揃えることじゃなくて、いい人と組むことなのかもしれない。誰と走るか。それは、どこへ走るかと同じくらい大事なことでした。

淡路島でドッグトレーナー、ノーズワークをされている方と打合せ。色々とアドバイスをいただき、よりよくなりそうです。構想がリアルになっていく。構想はあくまで机上。臨機応変に、思ってもみなかった成果が得られるように。
— Instagram @dogstation_awaji / Chapter 10数字も、走れるか
想いだけでは、駅は動きません。一日だけ走らせるなら、勢いでもできる。でも、来てくれた人と犬に何年も続けて満足してもらうためには、数字が走り続けられないといけない。事業計画、資金、採算。夢を線路の上に乗せて、本当に毎日運行できるのかを冷静に確かめる作業です。正直に言うと、いちばんやりたくない区間でした。それでも、いちばん逃げられない区間でもあった。
お金のためにやるわけじゃない。でも、お金がなければ、できることの幅は確実に狭まる。妥協したくない場面で妥協を強いられるのは、たいてい資金が足りないときです。だから、見通しが甘くないか、専門家の目も借りながら、課題と修正点をひとつひとつ潰していきました。学生時代の会計学と、日商簿記3級、FP3級。これまで「名ばかり」だった肩書きを、ここでようやく本気で使うことに。
お金のためじゃないけど、お金がないと手段が狭まる。あくまで見通しだが、継続して満足できるものを提供するためにも大事な作業。専門家にチェックしてもらい、課題や修正点を検討。名ばかりの会計学専攻と日商簿記3級とFP3級を、ここで存分に活かす。
— Instagram @dogstation_awaji / Chapter 12
数字と並行して、何度も「路線会議」を重ねました。犬連れのために、どんなサービスを提供できるか。どうしたら満足してもらえるか。どんな駅なら、また帰ってきたいと思ってもらえるか。犬にも人にも愛される場所になるように、議題は尽きなかった。おおよその方針は決めるけど、決めすぎない。思った通りのものじゃなくて、思いもよらない、もっと良いものが生まれる余地を残しておく。
そして、工程表。ハウスメーカーで働いていた頃は、工程表をつくるのが大嫌いでした。でも、その重要性も、そこで叩き込まれている。何がハードルになるのか。問題点はどこか。人間だから、面倒なことや厄介な問題は、つい後回しにしたくなる。それを「グッ」とこらえて、先に潰しておく。目指すのは、完成したときに、ぐちゃぐちゃに書き込まれた工程表と、きれいに片づいた現場が、同時に手元に残っている状態。構想は、ここへ来てようやく、具体的な日付を持ちはじめました。
決めた
そして、物件の契約書にハンコを押しました。木のテーブルに広げた重要事項説明書。何度も読み返した条文。木漏れ日の落ちるその場所で、印鑑をそっと置く。たった一点の押印。でも、それは後戻りのできない一点でした。下りていた遮断機が上がって、赤かった信号が青に変わる。
ここまでは、何を言っても「構想」で済んだ。図面を引き直すことも、計画ごと白紙に戻すこともできた。でも、契約を交わした瞬間から、これは机上の話じゃなく、現実の路線になる。仲介してくれた不動産会社には、重要事項の内容を変えてもらったり、ずいぶん無理を聞いてもらいました。手伝ってくれた人、応援してくれた人に恥じない駅にすること。それが、押印と引き換えに背負った責任です。

不動産契約を終えて、ようやく実際の形に向かって施工や、詳細をお伝えすることができます。関わっていただいた方、手伝っていただけた方に恥じない施設になるよう、責任を持って進めてまいります。
— Instagram @dogstation_awaji / Chapter 15犬の目線で、確かめる
どれだけ図面を引いて、会議を重ねて、数字を合わせても、最後の点検は人間にはできません。この駅の主役は、あくまで犬だからです。そこで、愛犬・銀太の背中に小さなカメラをくくりつけて、まだ何もない倉庫を好きなように歩いてもらうことにしました。うまくいくかは、正直わからなかった。
映し出されたのは、人の目線よりずっと低い、犬の高さからの景色でした。床の質感が、やけに大きく迫ってくる。天井は、はるか遠い。窓から差す光の角度も、人が立って見るのとはまるで違う。設計図の上では完璧に見えた空間が、犬の目線では、また別の表情をしている。この景色こそが、この駅が「ちゃんと犬のための駅になっているか」を測る、いちばん正直なものさしです。



GoProを犬の背中につけて、犬目線で施設紹介しようという魂胆です。うまくいくか知りません。
— Instagram @dogstation_awaji / Chapter 15構想の運行記録
第一章で起きたことを、時刻表のかたちで並べてみます。一枚のスケッチから、契約、そして施工開始の手前まで。ここに記したのは、だいたい二か月たらずの出来事です。でも、その手前には、温泉でひとり考えていた一年がありました。
| Date | 運行記録 |
|---|---|
| 2024.11 | 犬と泊まれる宿『淡路と犬』開業。ひとりで運営を続けるなかで、構想の種が芽生える。 |
| 2025.05.19 | 地元温泉「ゆとりっく」で、複合施設をつくる決心が固まる。the first signal. |
| 2026.05.09 | 原点のスケッチ No.001。同日、作り手・平井さんと「一緒にやりましょう」と決定。ロゴの検討も開始。 |
| 2026.05.10 | 「つながる場所に」――誰のための駅かを言葉にする。 |
| 2026.05.16 | 犬連れ目線・わんこファーストでスケッチを描き直す。 |
| 2026.05.18 | ドッグトレーナー、ノーズワークの専門家と打合せ。乗務員集め。 |
| 2026.05.19 | カラーブランディング。床と塗料の検討を前倒しで開始。 |
| 2026.05.22 | お金の計算。事業計画の見通しを専門家にチェックしてもらう。 |
| 2026.05.23 | 路線会議。提供するサービスと体験の中身を詰める。 |
| 2026.05.25 | 工程検討。完成までの工程表を引く。/同日前後、不動産契約を完了。 |
| 2026.05.27 | 第一章・構想編「終着駅」。ここまでの構想を一度まとめる。 |
| 2026.05.29 | 塗料を確保。犬に優しい色味の設計へ。 |
| 2026.06 | 施工スタート。塗装が完了し、清潔感が立ち上がる。第二章「建築編」へ。 |
| 2026.10.03 | 運行開始予定。now boarding. |
※日付はInstagram @dogstation_awaji の投稿および公開情報に基づく概略です。施工以降の日程は予定であり、状況により変更されることがあります。

終着駅
完成した駅の姿を、先に描いてみます。やわらかな光の落ちるプラットフォーム。床を駆けていく犬たち。その様子を、少し離れたベンチから眺める人。雨の日も、夏の盛りも、ここでは関係ない。まだCGの中だけにある景色です。でも、これが私たちの目指す終着駅であることに、嘘はありません。
ただ、この完成予想図を「正解」として握りしめるつもりはありません。住みたいのは、人口がすごい勢いで減っていくこの島で、それでも「淡路島を犬連れで旅するなら、まずここ」と思い浮かべてもらえる場所。やりたいことと、地域のためになること。その二本の線路を、できるだけ長く並走させたい。
想定できるものだけで作れば、想定された範囲のものしかできない。だから、構想を完璧に仕上げることよりも、想定外を受け入れる余白を残しておくほうを選びます。第一章・構想編は、ここで一度、停車します。

まもなく、施工開始
構想は、ここで終わります。机上の線引きは、もう十分。次は、いよいよ実際に建てる番です。確保した塗料で、犬に優しい色味の壁を塗っていく。たくさんの助っ人に来てもらいながら、一面、また一面。塗装が終わるたびに、何より先に「清潔感」が立ち上がってくるのが、不思議とうれしかった。倉庫が少しずつ駅の顔つきになっていきます。
派手な出来事は、何ひとつありません。色を塗って、床を張って、問題をひとつ潰しては、また次へ。地道な作業の積み重ねだけが、運行開始へ向かう線路を伸ばしていきます。でも、発車のベルは、もう確かに鳴り始めている。
DOG STATION、2026年10月3日オープン予定。一緒につくっていく余白は、まだたっぷり残しています。次章「建築編」で、お会いしましょう。どうぞ、見送らずに、乗っていってください。
よくある質問
DOG STATION(ドッグステーション)とは何ですか?
淡路島に2026年10月3日オープン予定の、犬と人のための複合施設です。室内ドッグラン(施設全体をフリーで使える)、カフェ、犬用グッズの体験・販売、駅フォトスポット、セルフウォッシュなどを備えます。淡路島で犬と泊まれる宿『淡路と犬』が、My Bear Studioの平井さんと共同で手がけています。
場所はどこですか?
兵庫県・淡路島です。長く使われていなかった倉庫を改装してつくっています。正式な所在地やアクセスは、開業に向けて順次お知らせします。最新情報はInstagram(@dogstation_awaji)で発信しています。
いつオープンしますか?
2026年10月3日オープン予定です。2026年5月に構想を固め、同年6月から施工を開始しています。本記事の「第一章 構想編」はその計画段階の記録で、続きは第二章「起工(建築編)」として連載予定です。
どんなことができる施設ですか?
主な構想は、室内ドッグラン、カフェ、犬用グッズの体験施設、犬用ショップ、セルフウォッシュ、駅フォトスポット、ポップアップショップです。雨の日や夏の暑い日でも、犬と一緒に過ごせる場所を目指しています。内容は構想段階で、いただく意見により変わることがあります。
なぜ「駅」という名前なのですか?
かつて淡路島にも鉄道が走り、「駅」は人が集まり、また出かけていく場所でした。その記憶になぞらえ、人と犬が集まる新しい結び目をつくる、という思想から「DOG STATION」と名づけています。なお当施設は淡路交通株式会社をはじめ過去・現在の鉄道/交通事業者とは一切関係がなく、実在の路線名・駅名・ロゴは使用していません。
大型犬やシニア犬、複数頭でも利用できますか?
「犬連れ目線・わんこファースト」を方針に、小型犬から大型犬、シニアや怖がりな子にも配慮した設計を検討しています。詳細な利用条件は開業に向けて決めていきます。ドッグトレーナーなど専門家の意見も取り入れながら準備中です。
運営しているのは誰ですか?
淡路島で犬と泊まれる宿『淡路と犬』(@awajitoinu)を営む上村允人が中心となり、My Bear Studio(@mybearstudio_awaji)の平井さんと共同で進めています。
